
1月26日 子宮頸がん予防ワクチンを希望される方へ
がんとはいったいどうしてなるのでしょうか?それは大変難しい質問です。日々医学が進歩する中で、まだ解明されていない病気のひとつですが、だんだんとがんが起こるメカニズムが解明されつつあることも事実です。
1980年代に入って子宮頸がんの原因としてウイルスが関与していることが明らかになりました。それはヒトパピローマウイルス(human papillomavirus : HPV)というウイルスで、構造の違いによって100種類以上の型があることが知られています。その中で子宮頸がんの発がんに関与しているウイルスは約15種類(型)で、子宮頸部の細胞に感染することがわかってきました。感染経路はほとんどが性交渉(性行為)によるものですが、感染してもそのほとんどは一過性で自然にどこかにいってしまうことも知られています。ですからこのウイルスは風邪のウイルスのように感染しては消え、感染しては消えというパターンで、ほとんどの場合、がんはおろか何事も起こりません。 世の中の女性の約70~80%の女性が一度は感染するといわれているくらい普遍的な(どこにでもいるような)ウイルスといっても過言ではないのです。ですからこれを性感染症(性病)のような捉え方をするのは誤りであり、万一感染しても子宮頸がんなる人は、その中のほんのひとにぎりの人だけであるということを認識してください。
ではどういう人が子宮頸がんになっていくのでしょうか?これも難しい質問ですが、
感染したHPVの型はひとつの大きな因子です。前に15種類(型)の発がんの危険度が高いハイリスクな型のウイルスがあると言いましたが、中でも16型や18型のウイルスは子宮頸がんを起こしやすい型であると言えます。子宮頸がんの患者さんの約半数に16型のHPVが検出されており、次に多いのは18型で、これらをあわせると全子宮頸がんの60%から70%くらいになります。おそらくこれらの型のHPVの一部(全部ではありません)は排除されることなく長期間(何年という単位で)にわたって子宮頚部の細胞内にとどまり、がんを引き起こしてくるものと思われます。
さて、今までは予防する方法がなかったので、がん検診を受けることによって早期発見、早期治療をめざしてきました。細胞診検査といって、子宮の入り口から綿棒やへらで細胞を採取して、その形をみて判断します。痛みもほとんどなく、約1分で終わります。正常な細胞はいきなり明日にがん細胞になるわけではありません。正常な細胞とがん細胞の間に正常でもないががんでもないという細胞(白と黒の間のグレーな細胞)があり、その細胞がやがてがん細胞になることがわかっていますので、形態的に形の変わった細胞(異型細胞)がないかどうかを調べます。日本の検診受診率は他の先進国に比べると非常に低く、特に若い年代の方は今後とも検診を受けるようにしましょう。
主に火曜日・水曜日・木曜日の矢島医師の外来で詳細を説明しておりますのでご予約をお取り下さい。
当院では子宮頸がん予防ワクチン接種はもとより、子宮頸がん検診ならびに精密検査、HPVに感染しているかどうかのDNA検査など行っております。
子宮頸がんに関するご質問など何でもお気軽にご相談ください。なおワクチンについての新たな情報が入り次第、上記事項を変更することがありますのでご了解ください。
(その際にはこのHP上に情報をわかりやすい形で掲示する予定です)
文責 汐留第二セントラルクリニック院長 矢島正純
(平成24年4月1日現在)